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レオ・レオニ作 / 谷川 俊太郎訳 『スイミー』でも有名なレオ・レオニの作品。 『フレデリック』は、貼り絵で作られています。のねずみたちの表情がなんともいえずいいのですが、一番気に入っているのは、この絵本の最後のシーン、少し照れて顔を赤らめているフレデリックの表情です。 このお話の前半のフレデリックの表情は、どこかぼーっとしていて、眠たいような、精彩を欠いた感じがします。それが、後半になるに従って、どの、のねずみよりも表情豊かに変化していきます。 このお話には、ねずみが5匹出てきますが、名前がついているのは、主人公であるフレデリック1匹だけ。このあたりにも、フレデリックの特別さが出ているように思います。 フレデリックは、ちょっと変わったのねずみです。他のねずみが、冬にそなえて、働いているときに何もしていないのです。でも本当は何もしていないのではなく、 「おひさまの ひかりを あつめてるんだ。」 「いろを あつめてるのさ。」 「ことばを あつめてるんだ。」 ということなのです。他ののねずみたちは、そんなフレデリックに対して、腹をたてることはあっても、仲間はずれにはしていないようです。その心の広さもいいところです。そして、冬になって、ためておいた食べ物がなくなったときに、先ほどのフレデリックの言葉を思い出します。 「きみが あつめた ものは, いったい どう なったんだい, フレデリック。」 と尋ねるのです。それは揶揄して言っているのではなく、期待を込めて聞いているように見えます。もし、これが文章だけの本であったなら、受け止め方は、もっと人によって違うでしょう。絵から伝えること、伝わること、これが絵本の魅力だなぁと思います。 「フレデリック」を読むと、一見、価値のなさそうな人(このお話ではフレデリックのことですが)も、実は価値のある人なんだ、また、それを認めるのは、周囲の人次第というメッセージがあるように思います。 私にとっての絵本の参考書のような本、松居直さんの絵本のよろこび レオニによれば、この絵本は、工業化社会における芸術家の役割を語ったのだということです。 工業化社会が行き詰っている現在、わたしたちのそばにいるフレデリックを探しだしたいものです。いえ、あなたのなかで、フレデリックはほほえんでいるかもしれません。 と書かれています。うーん、なかなか難しい表現です。でも、なんとなくイメージすることはできます。生産的なものだけが有益なのではない、内なるものを表現することや、違う視点でとらえることも重要だというようなことなのでしょうか? |
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おしゃべりなたまごやき
寺村 輝夫 長 新太 ![]() 今、手元にある本で発行年月日を見ると、1972年12月10日となっています。随分前に発行された本なのね、と思いながら、ネットで検索してみると、1959年2月号の「こどものとも 35号」が、最初のもののようです。リンク先の、福音館の「こどものとも50周年記念ブログ」を見ていただければわかるとおり、現在発行されているものとは、全く違う絵になっています。うーん、どうして絵を描き直したのでしょう。もし、ご存知の方がいたら、コメントやトラックバックでお知らせいただけると、うれしいです。私も、気になるので、調べてみようと思いますが、わかるでしょうか? というわけで、新しい絵の「おしゃべりなたまごやき」しか知らない私の感想です。 ちょっと子どもっぽい王様のお話です。 赤と黄土色が基調の絵本です。絵を見ているだけでも、楽しい気分になれます。でも、やはりこの絵本は、文章と絵が一体となって、おもしろさが増幅するのです。 テレレッテ トロロット プルルップ タアー タララッタ トロロット プルルップ タタター テレレッテ トロロット プルルップ タッタター これはラッパの音です。ラッパの音って、こんなふうな表現があるんだ、おもしろいなと思いました。子どもたちも、この部分を読むと笑います。こうやって、ラッパの音を並べてみると、リズムの違いがはっきりとわかります。音の高さの違いまでもイメージできます。 このラッパの音は、この本の言葉のおもしろさの一つの例なのです。 この絵本の王様の晩御飯のメニューは、 たった一つのめだまやき、それから、サラダに、スープに、リンゴに、イチゴに、 コーヒー、ミルク、ビスケット、チョコレート、それから、チュウインガム 私が子どもだったら、こんな晩御飯がうらやましく思ったことでしょう。だって、フルーツと、お菓子ばかりなんですから…。おかずらしいものは、めだまやきとサラダとスープだけ。今の子どもでも、いいなぁと思う子も多いんじゃないかしら?だって、子どもに、「おやつばっかり食べてると、ご飯食べられなくなっちゃうよ。」って言いません?でも、この王様の晩御飯には、おやつが出るんです。 今回は、お話の内容には、ほとんど触れませんでしたが、秘密には、ご用心ですよ。 |
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田島 征三〔作〕 迫力のある絵と、どこかの方言らしい言葉で語られる、楽しい絵本。 風が吹けば桶屋が儲かる的なお話です。 最初の見開きは、おばあさんとまごのじろっぺが、ねしょんべんが治りますようにとおじぞうさんにだいふくもちをおそなえして、願掛けしている場面。これは、まぁ普通なのですが、次のページからは、意表をつく展開なのです。たぶん墨だと思うのですが、黒で縁取りされた絵で、縁取りの黒も、それ以外の色も、筆のかすれ具合が絶妙の味を出しています。 笑えるお話、楽しいお話が読みたいときにどうぞ。 |
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ねずみくんのたんじょうび
なかえ よしを 上野 紀子 ![]() 「ねずみくんのたんじょうび」というタイトルですが、今回の主役は、ねみちゃん。ねみちゃんが手作りのプレゼントをねずみくんに贈ろうとラッピングするのですが、なかなかうまく包めません。あひる、ぶた、ライオン、うま、ぞうが、順番にやってきます。 ねみちゃん なに してるの? と、みんなが尋ねます。 ねずちゃんは、きまって ねずみくんの プレゼント うまく つつめないの そして動物たちは、 うーん これは なかなか ○○○○○ と次々と言うのです。 絵本の中で、同じフレーズが繰り返して出てきます。この続けて出てくるということが、子どもたちは好きです。 このお話、何かのお話に似ていると思いませんか?もちろん、真似をしているというつもりは、ありません。子どもが喜ぶものには、共通するものがあるのではないかなぁと言うことなのです。 さて、そのお話は、「おおきなかぶ」です。おおきなかぶ うんとこしょ どっこいしょ まだまだ ぬけません ただフレーズが繰り返されるというところが似ているだけではなく、みんなで力を合わせて、というところも似ています。 子どもたちは、ごっこ遊びの中で、よくプレゼントをしています。遊びの世界に出てくるということは、プレゼントを贈ったり、もらったりするということが、とてもうれしくて楽しいことなのでしょう。それをテーマにした絵本なのですから、子どもたちが喜ばないわけはありません。それに、子どもたちは、遊びの世界の中で「包む」ということをしていて、なかなかうまくできない ということもよく知っているのです。 最後には、クスッとしてしまうような場面があります。 |
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征矢 清さく / 林 明子え さちが葉っぱのおうちで、いろいろな昆虫と一緒に雨やどりする本。 林明子さんが描く女の子って、本当にかわいらしい。読んでいると、心が優しくなれるような、そんな感じがします。 葉っぱって、本当に雨やどりできるって、ご存知でしょうか?ハイキングなどに行ったさきで、急に雨が降ってきたとき、広葉樹の下と、木のないところでは、濡れ方が違うんです。葉っぱが傘の役割をしてくれるんです。そんなことを、さちは知っているのですね。お庭で遊んでいるのだから、家の中に入ることもできるけれど、はっぱのおうちの中で、雨も楽しめる、さち、そういう子どもっていいですね。 この本を読んでいると、雨の匂い、土の匂い、小さな子どものいい匂いまでが伝わってきそうです。 |
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おでかけのまえに
筒井 頼子 林 明子 ![]() この本を読んで、思わず「こんなこと、あるある」と思った人は多いと思います。子どもは、早くお出かけがしたくて、精一杯考えたつもりの行動が、かえって困ったことになる経験。大人も、子どもも経験があるから、このお話に共感できるのでしょうね。 私は、お出かけ前に、子どもたちがこんなことをすると、「こんなことしなくてもいいのに。」「もう、こんなときに限って…」と何度思ったことやら。思ったどころか、「もう、邪魔ばっかりして…」「なんで、じっとしてられないの?」「もう、何もしないで。」と声に出して怒っていました。ダメダメママです。でも、この絵本のママやパパは、ちっとも叱りません。あたたかく見守っています。こんなママになれたらいいなぁと思います。 もっとも、最近では、子どもたちは大きくなったので、「お母さん、まだお出かけの用意ができてないの。お願いだから、手伝って」と言っていますし、「お母さん、○○入れといたよ」と子どものほうが声をかけてくれるようになりました。そんな成長した子どもたちですが、今も、この絵本を大事にしています。 子どもが小さいときのお出かけは、「あれも持たなくちゃ、これも持たなくちゃ」と、荷物も多くて準備は大変。独身の頃と比べたら、荷物の大きさは全然違います。でも、小さな年齢のお子さんをお持ちのお父さん、お母さん、お子様のお出かけ前の待ちきれない気持ちからくるアクシデントは、ほんの一時期ですよ。なんて、今だから言えるんですが…。 裏表紙は、お出かけ先で遊んでいる様子が描かれています。どうぞ、裏表紙まで、じっくりとお楽しみください。 |
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まほうのえのぐ
林 明子 ![]() とっても表情がいい絵本なのです。動物の表情もそうなのですが、なんといっても、登場人物のよしみの表情が、生き生きとしています。小さい子って、こういう表情をするなぁと、改めてしみじみと絵を見ました。 私は絵を描くのが苦手な子どもでした。ですから、お絵かき遊びというのをした記憶がありません。絵を描いて遊ぼうと思った記憶がないのです。絵の具を使い始めた頃、やっぱり、よしみと同じように、どろんこのえになってしまいました。でも、私とよしみの違いは、へびに会わなかったこと。へびに絵の具を持っていかれたよしみは、へびを追いかけます。そして、りすやねずみや、からす、きつね、くま、しゃくとりむしなどと、一緒に絵を描くのです。そして、素敵な素敵な絵が完成するのです。私も動物たちに出会っていたら、そして、動物たちと一緒に絵を描くような自由な心があったら、絵を描くのが好きになっていたかもしれません。子どもだったら、この絵本を読んでもらったら、絵を描きたい!と思うでしょう。 読み直してみると、どろんこのえは失敗作に終わってないのです。よしみは、動物たちと一緒に、その上から続きを描いていたのでした。そういうところも、なんともいいなぁと思ったのでした。 この絵本は、見れば見るほど、まほうがしかけてあります。どうぞ、ゆっくりとご覧になってください。 |
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めっきらもっきらどおんどん
長谷川 摂子 ![]() 表紙の絵は、ちょっと怖そうですが、中の絵は、ちっとも怖くありません。 愛らしいおばけちゃんです。 ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん これは別世界に行く、不思議な呪文。この言葉のリズムがなんといっても、いいです。きっと読み手一人、一人、違った節まわしがあるんだろうなと思います。 そして、それを読んでもらった子どもたちには、その子その子の、 ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ じょんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん のフレーズが心に刻まれているのだと思います。 このお話は、呪文だけではなく、とても言葉の響きがいい本なのです。 おばけちゃん(絵本の中では、ばけもの、3人と書かれていますが、私には、おばけちゃんというイメージなのです。)の名前も、ユニークです。 もんもんびゃっこ、しっかかもっかか、おたからまんちん どうしたら、こんなに魅力的な呪文や名前が出てくるんでしょ。子どもは上手ですが、大人になってしまうと、不思議な呪文、名前は、だんだん浮かばなくなります。 絵は、とても躍動感があります。絵本を縦に使う場面もあり、構成に工夫されています。 小学1年生のクラスで、この本の読み聞かせをしたことがありますが、「知っている」と言う子もたくさんいました。それでも、「読んで!読んで!」とこのお話は人気でした。お話を聞いていて、ゲラゲラ笑っていました。 |
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ぞうのエルマー〈9〉エルマーとエルドーおじいちゃん
David McKee きたむら さとし ![]() エルドーおじいちゃんの模様も、なかなか素敵です。エルマーとエルドーおじいちゃんの心あたたまるお話。子どもがお年寄りに遊んでもらう感じって、こういう感じだったなぁと、思い出すようなお話です。子どもが、少し大きくなってくると、祖父母をいたわるような言葉がけをするようになってきます。でも実際には、祖父母のほうが一枚上手ということが多いのではないでしょうか?そういう関係を表現したお話です。 |
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ぞうのエルマー〈6〉エルマーとまいごのクマ
David McKee きたむら さとし ![]() 赤ちゃんぞうが、ぬいぐるみのクマをなくして、泣いています。エルマーは、「ぼくのをかしてあげるから」と、ぬいぐるみを貸してあげます。エルマーのクマさんは、パッチワーク色。ぬいぐるみまで、特別なんですね。「エルマーとウイルバー」で出てきた、いとこのウイルバーも登場します。エルマーシリーズでは、ぞうだけではなく、他の動物とも仲良しで、みんな心優しい動物です。みんな、気にかけてくれます。 そして、夕方、とうとう赤ちゃんぞうのクマが見つかったのです。 エルマーの最後の一言、「だれにとっても じぶんのクマがね、いちばんとくべつなんだ」この言葉に、頷かれる方も多いと思います。小さな子どもにとって、お気に入りのぬいぐるみは、どんなに汚くなったり、ボロボロになったりしても、大切なもの。いつも、これを持って寝るという子どもも、多いと思います。そういう子ども心がわかる、デビッド・マッキーだからこそ、こんなにたくさんの人に読みつがれ、シリーズとしても、たくさんの絵本が出版されているのだと思います。 |
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絵本の画像がありませんが、絵本の紹介です。「またまた ぞうのエルマー」は、絵本のタイトルです。
文・絵 デイビッド・マッキー 訳 安西徹雄 アリス館からの出版です。 「ぞうのエルマー」を読んだことのある方は、エルマー記念日をご存知ですよね?パッチワーク模様のエルマーが象色に、そして他の象色のぞうたちがにぎやかな模様のぞうになる、エルマー記念日があるのです。 そのエルマー記念日の前日に、エルマーがまたまた、いたずらを考え出したのです。一緒にいたずらしたのは、1作目でエルマーのいたずらをお手伝いした、小鳥さんです。 この絵本も、ほのぼのとしています。いたずらをしても、誰も怒りません。げらげら笑っているのです。いたずら好きのエルマーと、心あたたかで、のんびりした仲間たちの愉快なお話です。 |
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エルマーとカバ
David McKee きたむら さとし ![]() エルマーのともだち―ぞうのエルマー David McKee きたむら さとし ![]() エルマーのあたらしいともだち―ぞうのエルマー David McKee きたむら さとし ![]() エルマーとヘビ David McKee きたむら さとし ![]() エルマーとローズ David McKee きたむら さとし ![]() エルマーいろいろ―ぞうのエルマー David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー ジグソーブック David Mckee きたむら まさお ![]() そして、画像もなく、現在発売されているかも不明なのですが、 またまた ぞうのエルマー という本があります。 アリス館からの出版で、訳は、安西徹夫さんです。 私は、図書館で見つけましたので、書店で流通してなくても、図書館でなら、手にとることができるかもしれません。 私のこの本のレビューは、こちら |
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ぞうのエルマーシリーズの本を探していたときに、偶然、目についたのが、エルマーのトートバッグ。かわいいなぁ、他にもあるかなと思って、探してみました。
ELMER コインバンク ![]() ELMER トートバック ![]() こんなに色とりどりのカラフルバッグ、見たことないですね。でも、ちょっと頑張れば自分で作れるかも、なんて思います。 エルマー くたくたクッション ![]() このクッションが我が家にあったら、家族みんなで、取り合いになってしまいそうです。(笑) エルマー オーブンミトン ![]() エルマー スウェットランチトート 白 ![]() エルマー スウェットランチトート 紺 ![]() |
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とても魅力的な絵とお話の「ぞうのエルマーシリーズ」
どれだけあるのか、調べてみました。 ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー David McKee きたむら さとし ![]() 私が書いたレビューを読むには、こちら ぞうのエルマー〈2〉エルマー!エルマー! David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈3〉エルマーのたけうま David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈4〉エルマーとウイルバー David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈5〉エルマーがとんだ David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈6〉エルマーとまいごのクマ David McKee きたむら さとし ![]() 私が書いたレビューを読むには、こちら ぞうのエルマー〈7〉エルマーとカンガルー David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈8〉エルマーのゆきあそび David McKee きたむら さとし ![]() ぞうのエルマー〈9〉エルマーとエルドーおじいちゃん David McKee きたむら さとし ![]() 私が書いたレビューを読むには、こちら ぞうのエルマー〈10〉エルマーとちょうちょ David McKee きたむら さとし ![]() |
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もりのなか
マリー・ホール・エッツ まさき るりこ ![]() 前回書いた、松居直さんの『絵本のよろこび』の中で、松居さんが もっとも好きな絵本作家はだれですか?と質問されたら、私はためらうことなくマリー・ホール・エッツですと答えます。ではエッツの絵本で一番のお気に入りは?と聞かれたら、『もりのなか』をあげます。 と書かれていたので、読んでみた絵本です。 表紙は、レンガ色と黒と白だけ。中は白と黒のみです。この本が初めて出版されたのは、1944年。既に70年以上もの間、読みつがれている絵本です。パッと見た印象は地味ですが、白と黒だけの色彩のために、より自由な想像で楽しめるように思います。 松居さんによると、エッツはコロンビア大学の大学院で心理学を学んだのち、孤児院で仕事をされていたそうなのですが、なるほど、子どもの心の世界、遊びの世界をよく知っていると思いました。松居さんの解説を読んでから、この本を手にしたので、そのように思うのかもしれません。 紙の帽子をかぶった男の子が森へ散歩に行きます。ライオン、ぞう、くま、カンガルー、こうのとり、さる、うさぎと次々と出会いながら、歩いていきます。途中で、おやつを食べ、ハンカチ落としをし、ロンドン橋落ちたをして、かくれんぼうをします。そして、鬼になった男の子が目を開けると、動物たちはいなくなって、お父さんがいます。お父さんは、「だけど、もう おそいよ。うちへ かえらなくっちゃ」。「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」と言います。男の子は、お父さんに肩車をしてもらって、「さようならぁ。みんな まっててね。また こんど、さんぽに きたとき、さがすからね!」 「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」子どもの遊びの世界に付き合って、こういうふうな言葉が出たら素敵だと思います。そして、男の子もお父さんの言葉をしっかりと受け止めて、ファンタジーの世界の余韻を楽しんでいるようです。そして、読者である私も、この絵本の余韻を楽しめる言葉です。 ここからは、私の深読みのし過ぎで、全くの検討違いかもしれませんが、最後の抜粋した部分を中心に感じるところを書きます。自分探しをしても、堂々巡りで、なかなか結論が出ないことも多いのが普通です。森の中というのは、迷う心、葛藤を表した象徴的なものではないかと思うのです。そして、散歩というのは、自分探しの旅ということではないかと思うのです。「また今度」と思うことで、前向きになることができる。そして、上記の言葉は、温かな励ましの言葉のように思えるのです。 松居さんのお話のほうに戻すと、この絵本の中のうさぎは、エッツの身近にいていつも気にかけていた、障害をもった子どもがモデルではなかったかと推測されています。それを知って読むと、また違った視点でお話を感じることができます。他の動物は、登場した順に男の子の後ろに並んでいくのに、このウサギだけは、男の子の横に並んで歩きます。寄り添っているのです。これは、心の距離感も他の動物(人)とは特別だったのだろうなと想像できます。実際にエッツが、モデルとなった障害をもった子どもと遊んでいたかは、わかりませんが、絵本の中では、ウサギは、他の動物と全く一緒なことをして遊ぶわけではないのだけれど、そこに一緒にいて遊んでいます。私は、この共にいる、一緒に遊ぶと言うことが、子どもにとって大切なことだと思います。でも、現実には、なかなか健常児と障害児が一緒に遊ぶのは難しいのが現状です。これは、エッツが願った子どもたちの姿ではないかと思えるのです。 この絵本は、いろんなメッセージを発しているようですが、子どもの心をよくわかって書かれているので、小さな子どもから、ファンタジー、お話として楽しめると思います。 |
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絵本のよろこび
松居 直 ![]() 絵本の編集者であり、絵本作家である松居直さんの本。松居さんの絵本論、絵本と子どもの関わり、絵本を愛する気持ちが、読者にストレートに伝わってきます。簡単な言葉を使って、相手の心に響く文章を書くという意味で、さすが絵本の編集者だなと感心しています。本の装丁、手にとった感覚も、とても暖かみがあります。見返しや見開きの扉も素敵で、こだわりを感じます。名作絵本がカラーで、たくさん紹介されているのも見所で、この本を読み、眺めて味わうことで、絵本選びの大きなヒントになります。松居さんご推薦なのだから、間違いない、手にとってみたいと思わずにはいられません。 松居さんは、「絵本は子どもに読ませる本ではなく、大人が読んでやる本だと考えます。」(本書より抜粋)と書いていらっしゃいます。同じようなことを、以前紹介した『絵本の力』という本でも、おっしゃっていました。そのことは鮮明に記憶に残っています。本を読んでもらう体験や時間のぬくもり、読んでもらうことによって、子どもは、絵も読んでいるということが、とても納得できるのです。そのあたりのことを、本書では、「子どもは絵本を読んでもらうとき、耳で聴く文章と、まったく同時に眼で読みとる挿絵とにより、想像力を賢明に働かせて物語の世界を思い描きます。この文と絵の完全な一致による読みとりが、ほんものの絵本体験となります。」と書かれています。 こんなふうに、書くと堅苦しい本のようですが、とても読みやすくて、子どもへの言葉がけのヒントもたくさん盛り込まれています。 |
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葉っぱのフレディ―いのちの旅
レオ バスカーリア Leo Buscaglia みらい なな ![]() 私は、子ども達が乳幼児の頃、あまり絵本を読んであげていませんでした。今、思うことは、もっと子どもたちが小さいときに、絵本をたくさん、読んであげればよかったなということです。子どもが小さい頃は、私は、フルタイムで仕事をしていましたので、仕事を終えて、急いで食事の用意をし、夕食をとり、お風呂に入らせて、寝させるということで精一杯に思っていました。せめて、寝るときに、一緒に横にいて絵本を読んであげればよかったのですが、そうすると子どもと一緒にというより、それより先に眠ってしまいそうで、できませんでした。当時は、持ち帰って仕事をしたり、仕事の勉強をしてたのです。でも、ほんの少し、心の余裕を持っていたなら、絵本の1冊くらい読んであげる時間が作られたのになぁと思います。私自身が絵本の世界の素晴らしさに気づくようになったのは、ここ2年くらいのことで、もっと早くに気がついていればと悔やまれます。 今、わが子は、中1、小5、小3ですが、どの子も幼いところがあるのか、私が絵本を読んでいると、「読んで」と言って横にくるときがあります。中1の男の子に絵本なんてと思う人がいるかと思います。でも、教員をしている友人は、学校で中学1年生にも本の読み聞かせをしています。その友人宅に行ったときのことですが、「葉っぱのフレディ」の絵本がありました。それを見て、男性の知人が、「これ、うちにも、あるで。前に高校生の男の子たちに、読み聞かせしたで。」と話していました。「葉っぱのフレディ」は10年近く前でしょうか、ベストセラーになったことがあるので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、子どもにも、大人にとっても素敵な絵本です。この絵本は自然の営みと生きるということについて、考えさせてくれます。それにしても、高校生の男の子たちに読み聞かせとはびっくりしました。 そうそう、この本、日本語版と原著(英語)では、絵も違うし、言葉のニュアンスも違うそうです。そんなに長いお話ではないので、読んでみたいと思うのですが、英語だと思うと、ちょっと敷居が高いですね(笑) The Fall of Freddie the Leaf: A Story of Life for All Ages Leo F. Buscaglia ![]() |
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にじいろのさかな 世界の絵本
マーカス フィスター Marcus Pfister 谷川 俊太郎 ![]() 6歳の姪に弟が産まれました。お姉ちゃんになったお祝いに贈った絵本です。 とっても、きれいな絵本で見ているだけでも、ほんわかとした幸せな気分になります。特にピカピカ光るうろこは、子どもだけではなく、大人もワクワクすることと思います。 物を分かち合う幸せ、人を思いやる心、優しさなどが伝わってきます。でも、このストーリーについては賛否両論があるようなので、いろんな書評を読んだり、実際に手にとって読んでから購入を決めるとよいと思います。 |
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岸田 衿子作 / 中谷 千代子画 1962年に福音館書店の月刊誌「こどものとも」に掲載され、1966年に傑作集として出版された絵本です。今も書店にも図書館にもあります。前回書いた岸田衿子さんの作品の一つ。絵は岸田さんと大学の同級生の中谷千代子さん。 油絵のキャンバスの布目を利用しているのが印象的です。岸田衿子さんのお話によると、中谷さんは上野動物園に通って、このかばくんの絵を描いたそうですが、カバが水の中にもぐっていたり、せっかく出てきたかと思うとお尻を向けていたりで、ご苦労があったそうです。その熱意もあって、かばくんは、とても生き生きしています。私は、カバに触れたことはないけれど、その手触りまで想像できるような絵です。文章もリズムがよくて、読んでいて、とても気持ちがよくなります。 ほんわか、ゆったり、のほほ〜んな絵本です。 |
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たいせつな一日―岸田衿子詩集
岸田 衿子 水内 喜久雄 ![]() 少し前のことなのですが、地元の図書館で開催された「フォークハープの魅力と朗読の世界」という催し物に行ってきました。 今回のイベントは二部構成。第一部がフォークハープをはじめ楽器の演奏会。第二部がフォークハープの演奏をバックに、アナウンサーの方による岸田衿子さんの作品の朗読、その後岸田衿子さんと川上明日夫さんの対談がありました。そして、第一部の最初から最後までの間に、会場の前のほうで、古矢一穂さんが植物画を描いていらっしゃいました。 岸田衿子さんは、詩人で、童話・絵本作家。女優の岸田今日子さんのお姉さまです。川上明日夫さんは、福井の詩人。古矢一穂さんは、岸田衿子さんの本でも絵を担当している植物画家の方です。 岸田衿子さんは、とても不思議な雰囲気の方でした。岸田今日子さんと、外見も声もよく似ています。岸田今日子さんは、ほわっとしていて、飄々とした感じの方ですが、お姉さまの岸田衿子さんは、妹さんに輪をかけてというか、浮世離れして、世俗のことには囚われない、そんな雰囲気の方でした。幼なじみの詩人の谷川俊太郎さん、大学で同期だった絵本画家の中谷千代子さん、絵本作家の長新太さんなどのエピソードも楽しかったですし、お住まいになっている北軽井沢のことや、作品のエピソードなども、とても興味深く聞かせていただきました。また、岸田衿子さんご本人による朗読も聞かせていただき、とても貴重な経験をさせていただきました。 そして、最後は本のサイン会。岸田衿子さんの詩の自然との距離感や、言葉の美しさ・柔らかさといったものに魅力を感じ、「たいせつな一日」というタイトルの本を購入してサインをしていただきました。今日、本好きの友人に会ったので、この催しに行ったことを話し、サインしていただいた本を見せたところ、とてもうらやましがっていました。 私にとっては、まさに「たいせつな一日」となりました。 さて、この「たいせつな一日」というタイトルの詩集ですが、とても柔らかで、優しい言葉で語られています。自然について書かれている作品が多いのですが、その目線は登山やアウトドアスポーツというよりは、山歩きやピクニックのようで、気張ることなく自然を味わって作品にしている、自然を愛でている感じがするのです。 疲れているとき、いらいらしているとき、癒されたいとき、そんなときにも、この本は、絵と詩で気持ちを元気にしてくれることと思います。 |
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先日のYAHOOニュースからの引用です。
「本離れ」は、若者より中高年の方が深刻――。読売新聞社が15、16の両日に行った「読書」に関する全国世論調査(面接方式)で、年代が上がるにつれ「本離れ」の傾向が見られ、特に、中高生を子に持つ人が多い40歳代で、2004年の前回調査より7ポイント増の44%と、「活字離れ」が増えたのが目立った。 この1か月間に本を「読まなかった」人は52%で、1980年から始めた同調査で3番目に高かった。年代別に見ると、20、30歳代は各41%で、前回調査より減ったのに対し、40歳代から上の年代は増加、50歳代は55%、60歳代は61%、70歳以上は66%だった。 読んだ本の数は「1〜3冊」が39%、「4冊以上」が9%で、いずれも前回調査比1ポイントの微減。 一方、インターネット通販で、本を購入した人は03年の前回調査比3ポイント増の10%だったが、20〜30歳代が2割台で、若年層を中心に読書に対する環境の変化も見られる。 活字離れに歯止めをかける方法では、「『読書の時間』を学校の授業科目にする」40%が最も多かった。 (読売新聞) - 10月28日2時9分更新 1ヶ月間に本を読まなかった人が半数を超えることにびっくりしました。忙しく仕事をしていたり、心に余裕がなかった時期もあるけれど、今まで、1ヶ月に1冊も本を読まなかったということは、おそらくないと思います。皆さん、どうやって時間を過ごしているのでしょう。 私は、インターネットに接続するようになってから、明らかに読書量は減ったと思います。手軽に遊べる、時間を過ごせる、いろんな人とコミニュケーションをとれるということから、パソコンの前に座っている時間が増えました。また、基本的に「何かを読む」ということが好きなのですが、インターネットの環境では、いろんなホームページやBlogがあり、「読みたい欲求」には、とりあえず応えてくれるようになりました。 しかし、このところ気になっていることがあります。私は本が読めなくなってしまっているのです。時間的な問題ではなく、能力や気力の問題のようなのです。私の場合は、インターネットで文章を読んでいるときには、簡単な文章で書いてあるものを無意識に選んでしまって、手軽に欲求を満たしているようなのです。そういう生活が続いてから、どうも深く、本の世界に入り込めない、理解できなくなった気がしています。以前と比べると読む本のジャンルも変わってきたので、それで1冊の本を読むのに時間がかかるようになり、そのように思うのかもしれません。すっと理解できないので、本を読み始めるときには、ちょっと心にエネルギーが要ります。そんなわけで、読書に対してジレンマを感じているところです。 そうして「本が読めていない」と感じていたときに、上記のニュースを読んだのでした。それで自分がこの1ヶ月に読んだ本を思い起こすと、絵本が15冊〜20冊くらい。文学や思想、ノンフィクションが数冊と、そう悲観するほど少ないわけではないことに気がつきました。絵本の場合でも、読み聞かせをすることを前提に読んでいますから、じっくりと何度も読んでいます。 それにも関わらず、「本が読めていない」と感じているのは、何故なんだろうと思います。自分の理想が高いのか、読みたい本が増えていくペースと私の読書のペースが合わないために、そう感じているのか、もっと別の原因もあるのかもしれません。 読書の秋ですから、時間を作って、本に親しみたいと思っています。 |
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