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もりのなか
もりのなか
マリー・ホール・エッツ まさき るりこ
4834000168


 前回書いた、松居直さんの『絵本のよろこび』の中で、松居さんが

 もっとも好きな絵本作家はだれですか?と質問されたら、私はためらうことなくマリー・ホール・エッツですと答えます。ではエッツの絵本で一番のお気に入りは?と聞かれたら、『もりのなか』をあげます。

と書かれていたので、読んでみた絵本です。

 表紙は、レンガ色と黒と白だけ。中は白と黒のみです。この本が初めて出版されたのは、1944年。既に70年以上もの間、読みつがれている絵本です。パッと見た印象は地味ですが、白と黒だけの色彩のために、より自由な想像で楽しめるように思います。
 松居さんによると、エッツはコロンビア大学の大学院で心理学を学んだのち、孤児院で仕事をされていたそうなのですが、なるほど、子どもの心の世界、遊びの世界をよく知っていると思いました。松居さんの解説を読んでから、この本を手にしたので、そのように思うのかもしれません。
 
 紙の帽子をかぶった男の子が森へ散歩に行きます。ライオン、ぞう、くま、カンガルー、こうのとり、さる、うさぎと次々と出会いながら、歩いていきます。途中で、おやつを食べ、ハンカチ落としをし、ロンドン橋落ちたをして、かくれんぼうをします。そして、鬼になった男の子が目を開けると、動物たちはいなくなって、お父さんがいます。お父さんは、「だけど、もう おそいよ。うちへ かえらなくっちゃ」。「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」と言います。男の子は、お父さんに肩車をしてもらって、「さようならぁ。みんな まっててね。また こんど、さんぽに きたとき、さがすからね!」

 「きっと、またこんどまで まっててくれるよ」子どもの遊びの世界に付き合って、こういうふうな言葉が出たら素敵だと思います。そして、男の子もお父さんの言葉をしっかりと受け止めて、ファンタジーの世界の余韻を楽しんでいるようです。そして、読者である私も、この絵本の余韻を楽しめる言葉です。
 ここからは、私の深読みのし過ぎで、全くの検討違いかもしれませんが、最後の抜粋した部分を中心に感じるところを書きます。自分探しをしても、堂々巡りで、なかなか結論が出ないことも多いのが普通です。森の中というのは、迷う心、葛藤を表した象徴的なものではないかと思うのです。そして、散歩というのは、自分探しの旅ということではないかと思うのです。「また今度」と思うことで、前向きになることができる。そして、上記の言葉は、温かな励ましの言葉のように思えるのです。
 松居さんのお話のほうに戻すと、この絵本の中のうさぎは、エッツの身近にいていつも気にかけていた、障害をもった子どもがモデルではなかったかと推測されています。それを知って読むと、また違った視点でお話を感じることができます。他の動物は、登場した順に男の子の後ろに並んでいくのに、このウサギだけは、男の子の横に並んで歩きます。寄り添っているのです。これは、心の距離感も他の動物(人)とは特別だったのだろうなと想像できます。実際にエッツが、モデルとなった障害をもった子どもと遊んでいたかは、わかりませんが、絵本の中では、ウサギは、他の動物と全く一緒なことをして遊ぶわけではないのだけれど、そこに一緒にいて遊んでいます。私は、この共にいる、一緒に遊ぶと言うことが、子どもにとって大切なことだと思います。でも、現実には、なかなか健常児と障害児が一緒に遊ぶのは難しいのが現状です。これは、エッツが願った子どもたちの姿ではないかと思えるのです。

 この絵本は、いろんなメッセージを発しているようですが、子どもの心をよくわかって書かれているので、小さな子どもから、ファンタジー、お話として楽しめると思います。
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テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

【2005/11/23 17:01】 | 絵本 | トラックバック(1) | コメント(2) | page top↑
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コメント
tumugiさんの文章があまりにも素晴らしくうなってしまいました。
松居直さんの本も読んでみたいです。
私もTBさせていただきますね。
【2006/03/28 17:26】 URL | ともちゃん #0VjAYkvw[ 編集] | page top↑
ともちゃん、お恥ずかしい。
うならないでください。(笑)
TBありがとうございま~す!
【2006/03/28 17:35】 URL | tumugi #auyQKGwQ[ 編集] | page top↑
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もりのなか そして続編
今日もとてもいい天気だったらサバイバルか~~?!っと期待してくださった方,ごめんなさ~い。ダンナがお仕事忙しく,サバイバルには行けなかったのよ~なので,絵本のなか 絵本とiTunesな毎日【2006/03/28 17:28】
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